会社の同僚や友達に「辞める辞める詐欺」する人はいないでしょうか。
「会社を辞める」と口ぐせのように言っているにも関わらず、数か月たっても1年たっても辞める気配すらなく、転職活動さえもしている素振りを感じない人っていますよね。
彼らは何故、口癖のように「辞める辞める」と言っておきながら会社を辞めずにいるのでしょうか。
同じ辞める辞める詐欺の中にも心理別のケースがありますので解説と対処をご紹介します。
もくじ
「辞める辞める詐欺」とは?
そもそも「辞める辞める詐欺」とは何なんでしょうか。
世間の認識として辞める辞める詐欺の定義をアンサイクロペディア(フリー八百科事典)で調べてみました。
辞める辞める詐欺(やめるやめるさぎ)とは、注目度を上げるために行う宣伝活動である。終わる終わる詐欺とも呼ばれる。相手に誤解を生じさせる表示を恣意的に行っている点において宣伝とは異なる。別名、「まだ終わりじゃないぞい、もうちっとだけ続くんじゃ現象」。
引用:アンサイクロペディア
つまり、会社を辞めると言っておきながら全く辞めないので、聞き手側は詐欺だと思ってしまう現象ですね。
芸能界でも、歌手のmisonoさんや映画監督の宮崎駿さんも何度か引退を宣言しておきながら、活動していたりしますのでサラリーマン以外でも何処にでも「辞める辞める詐欺」をする方はいらっしゃるみたいです。
ケース別「辞める辞める詐欺」の心理
それでは、なぜ「辞める辞める詐欺」を行う人がいるのでしょうか。
辞めると言ったのに辞めないなら、何のために発言しているのでしょうか。
辞める辞める詐欺をする人の心理と理由をパターン別にご紹介します。
会社に対して不満があるケース
辞める辞める詐欺を行う人の多くは、自分がいま働いている会社の給与や福利厚生・業務内容・役職に不満が貯まっています。
本当に不満が貯まっていて耐えられない状況に置かれているのであれば会社をすぐに辞めますが、辞めないという事であれば、会社に対してまだ期待をしているのです。
自分が辞めると声をあげて周囲に伝える事によって、会社側から引き止めにくるのではないか、会社側からより良い条件を提示してくれるのではないかと、淡い期待を持っております。
本当に辞める程の強い不満がなくても、自分がより良い環境で働きたいがために、周囲に辞める辞める詐欺をしているのです。
ただ、会社に強く必要とされていない人であれば、辞めると言っても効果がないので、やっている側はある意味賭けとも言えます。
自分が会社にとって必要とされている自信があるから言っているのです。
注目や心配をされたいケース
同僚が辞めるという話であれば、誰でも耳を傾ける事になります。
場合によっては、社内の様々な所で噂となって広まります。
また、辞める人自身に対しての詮索もされるようになります。
その人が任されていた業務内容や社内での人間関係や上司との会話内容まで噂にのって社内に広まります。
辞めると言っただけで社内の人達みんなが自分の事についての注目してくれますし、何故辞めることとなったか心配までしてくれるようになります。
自己顕示欲が高い方であれば、それがとても嬉しく感じます。
「会社を辞める」という短い言葉だけで社内で注目の的になれると思って、ついつい口癖のように発言するようになってしまうのです。
子供じみた言葉に言い換えると「構ってちゃん」状態です。
ただ、社内で誰からも人気のない方や知名度が低い方であれば、そこまで噂として広まりません。
辞める辞める詐欺をする側は自分が社内である程度知名度があると勘違いしている場合もあります。
何も考えていないケース
普段から仕事に対してネガティブ発言が多い方だとついつい「辞めたい」と言ってしまう方もいます。
仕事終わりや飲み会などで、「やりがいが無い」、「もう疲れた」等の発言のついでに「辞めたい」とまで口ずさんでしまうのです。
しかし、本人は全く何も考えずに言っておりますので、全く悪気はありません。
特に次のやりたい仕事がある訳でもなく、今の仕事をどうしようかとも考えておりません。
転職活動をすることもなく、ただただネガティブ発言を言っているだけなので、いちいち反応する必要はありません。
必要以上に反応をみせると、向こうも良い気になってどんどんネガティブ発言を増やしますので、聞き手は適当に聞いておきましょう。
ストレス発散しているケース
仕事の中で疲れたときや、思い通りに事が進まずに腹が立って「もう辞めてやる」と言う方がおりますが、発言している側はただのストレス発散であるケースがあります。
本人はストレス発散として色んな愚痴を言っている中に「辞める」という一言が入っているだけで、本当に辞めて転職する事まで考えておりません。
仕事辞めて悠々自適に生活できたら良いなと思う憧れから、会社を辞めるとまで言っているだけです。
そういう方はストレス発散で、会社の愚痴や疲れを吐き出す事によって楽になっているタイプですので、適当に聞き入れてあげればストレス解消して、また普段通りに仕事をするようになります。
もし友人であまりにも、辞める辞める発言でストレス発散をしている方がいれば、他のストレス発散方法を提案してあげても良いでしょう。
自分に自信がないケース
本当に辞めたいと考えていても、自分に自信がなく、結果的に辞める辞める詐欺となっているケースもあります。
こんな仕事に転職したい、フリーランスとして働きたい等の希望はあったとしても、いざ会社を辞めて転職できるかと考えると自分に自信がなく、思いとどまっているのです。
また、給与が減る事や自分の役職がなくなる事にも不安を持っていたりします。
自分に自信があれば、何にでもチャレンジができるのですが、そこまで自分に自信がないのです。
将来への不安以上に自分がやりたい事への熱意が上回れば会社を辞める事でしょう。
本当に会社を辞めたり転職活動を始めないのであれば、リスクまでとれない程の熱意です。
周囲に一歩踏み出せずに、辞める辞める詐欺が続いている方がいれば、けしかけたりせずに何故辞めるのか、何故辞めないのかを丁寧に聞いてあげて下さい。
結果的に自分に自信もないし、そこまでやりたい事への熱意もないけど、今の会社はそこまで悪くないという結論になる事が多いです。
自分に自信がないのであれば、わざわざ会社を辞める必要もないと提案してあげましょう。
「辞める辞める詐欺」の人の対処法
辞める辞める詐欺を行う人達の対処法をご紹介します。
周囲で会社を辞めると発言している方がいれば、「①引き止める・②話を聞く・③辞めるように勧める」の3つの対処法があります。
それぞれ、メリットもデメリットもありますので、解説します。
引き止める
辞める辞める詐欺の醍醐味が、引き止められる事ですので、引き止められると内心喜びます。
やはり自分は必要とされていたのか、やはりみんな引き止めてくれるのか等と考えます。
ただ、辞めるという発言が多い方ですと、毎回引き止めているとこっちが疲れますよね。
毎回どうせ辞めないだろうと思いながら、引き止めていると辞める辞める詐欺の常習犯化が始まります。
最初の1回や2回までは、引き止める事をオススメしますが、3回も続くようならば異なる対処を選択しましょう。
話を聞く(論理的に)
辞める辞める詐欺の人は話を聞いて欲しい事が多いです。
辞めると言ったら、引き止められたり、辞めるように勧められるよりも、話をもっと聞いてくれるという反応を求めております。
話を普通に聞くだけだと、永遠と愚痴や夢の話が続き、一生家に帰れなくなってしまいます。
相手を気分よくさせるという点では良いのですが、こっちも疲れます。
なので、ただ話を聞くのではなく論理的に聞くようにしましょう。
「何が原因で辞めるか」、「次の仕事の良い所」、「次の仕事の悪い所」などを丁寧に論理的に聞いてみてあげて下さい。
最終的に今の仕事の悪いところが次の仕事でも当てはまる可能性があったりと、論理的な矛盾が見つかるでしょう。
論理的に質問を続けていくと、辞める辞める詐欺をしている方も話しながら論理破綻に気付く事ができれば、もう話すことはありません。
辞める辞める詐欺をするような方はそこまで志望動機等が整理されていないので、簡単に論理破綻しますので、話もすぐに止まる事でしょう。
辞めるように勧める
辞める辞める詐欺をする人に一番効く対処法が辞めるように勧める事です。
ただ構ってほしかっただけであったり、注目されたかっただけだったのに、辞めるように勧めると向こうから話を逸らそうとします。
辞めると発言した方に知り合いの転職エージェントを紹介する話をしたり、人事の知り合いに先に話を通してあげるように提案してあげてみて下さい、急いで止めにかかります。
しかし、本気で辞めるつもりの方でも、辞めるように強く勧められると不機嫌になる事もありますので注意が必要です。
いますぐ仕事を辞めるように勧めると一番簡単に相手の本心が分かりますので、一番使える対処法になります。
ただ、本人が今の仕事が良い環境だと気付いていない場合もありますので、無責任に辞めるように勧めるのはよくありません。
「辞める辞める詐欺」する人は悪い人なのか
これまで色んなケースの辞める辞める詐欺と対処法をご紹介しました。
しかし、辞める辞める詐欺をする人は構って欲しかったり、自分に自信がなかったりと、弱い人間である事が多いです。
本当に強い人であれば、辞める辞める詐欺をせずにさっさと次の仕事に転職したり、独立したりと人生ゲームの駒を進めていきます。
口で色んな事を言っておきながら、そんな決断力を持ち合わせていないのです。
また、辞めたいと考えてはいるものの、いまの環境の居心地の良さから抜け出せないのかもしれません。
辞めると言っている本人は悪気がないので、嘘つきや悪者扱いをする必要はありません。
私たちが分からない事情もあるのかもしれませんので、悪い人だと決めつけないようにしましょう。
辞めると言っても本当に辞める必要はない
前述した通り、辞める辞める詐欺をしている人は悪気がない事が多いです。
相手が本当に今の仕事に合ってない場合や、仕事を辞めさせて貰えないような環境下に置かれている場合なら、友人として何かアドバイスやサポートをしてあげて下さい。
ただ、辞めるとずっと言っておきながら本人が一向に辞めないのであれば理由があります。
きっと何だかんだで今の仕事や会社が気に入っているのです。
もし、周囲の人で辞める辞める詐欺をしている方がいれば、相手の会社の良い所とかやりがいを聞いてあげてみて下さい。
なぜ今の会社を辞めないのか理由が分かってくるでしょう。