職場の上司からのセクハラ対応の問題をよく耳にします。また、職場の上司や同僚だけでなく、接客業ではお客様のセクハラ対処法に困っている方も多いみたいです。今回はセクハラの対処法を事例と共に解説します。
もくじ
そもそもセクハラの定義とは何か
「これってセクハラ?」と思った事はないでしょうか。
どこからがセクハラなのか、そもそも理解されている方が少ないのでセクハラの境界線が分からず、セクハラの加害者となってしまったり気付かないうちに被害者となる事があります。
セクハラの対処法を説明する前に、セクハラという言葉の始まりと定義を説明します。
セクハラとは「セクシャル・ハラスメント」の略で、日本語に訳すと「性的嫌がらせ」を指します。
1989年に日本国内で初めて民事裁判となる事で世の中にセクハラという言葉が広がり、男女雇用機会均等法(1997年)や改正男女雇用機会均等法(2007年)でセクハラを男女双方に性的嫌がらせを禁止するようになったという背景があります。
法務省が定義しているセクハラについて、実は2つのパターンで分けられております。
(1)対価型セクシャル・ハラスメント
対価型セクハラと略していう方もおりますが、以下が法務省の定義となっております。
職務上の地位を利用して性的な関係を強要し、それを拒否した人に対し減給、降格などの不利益を負わせる行為。(法務省)
例えば、以下のような場合が挙げられます。
[st-mybox title="例" fontawesome="fa-file-text-o" color="#757575" bordercolor="" bgcolor="#fafafa" borderwidth="0" borderradius="5" titleweight="bold" fontsize="" myclass="st-mybox-class" margin="25px 0 25px 0"]
- 社長が社員に性的関係を迫って断られたのでクビにする
- 上司の性的な発言を嫌がる後輩社員が昇給できない
- 予備校や学校の教師が学力を上げるために性的な関係を迫る
- 取引先からの性的なアプローチを断ったために取引が切られる
[/st-mybox]
対価型セクハラとは、自分の立場の優位性を悪用し、性的な嫌がらせを行う行為です。
セクハラを受けた側も仕事関係の評価を下げたりしたくないので対処できず、被害がより深刻になる事もあります。
(2)環境型セクシャル・ハラスメント
環境型セクハラと略される事もあり、法務省は以下の定義をしております。
性的な関係は要求しないものの、職場内での性的な言動により働く人たちを不快にさせ、職場環境を損なう行為。(法務省)
例えば、以下の場合が挙げられます。
[st-mybox title="例" fontawesome="fa-file-text-o" color="#757575" bordercolor="" bgcolor="#fafafa" borderwidth="0" borderradius="5" titleweight="bold" fontsize="" myclass="st-mybox-class" margin="25px 0 25px 0"]
- 夜の情事についての話題をよくする
- 体型やスリーサイズについて執拗に尋ねる
- 何度断っても休日のデートを執拗に迫る
- 恋愛経験について嫌がっても尋ねる
[/st-mybox]
環境型セクハラは、セクハラを受けた人が不快と感じているかが判断軸となりますので、なかなか周囲に気付いて貰えない場合があると思います。
飲み会等で軽はずみに性的な話題で盛り上がっていた場合でも、自分自身が嫌だと感じればセクハラに当てはまりますので、対処する方法はあります。
セクハラは罪はあるのか?法的に対処する事は可能か
職場でセクハラを受けていて悩んでいる場合、全てが法律で罰せられるかは判断が難しい所はありますが、何かしらの罪にあたる場合が多いです。
なので、セクハラは法的に対処する事は可能な場合が多いです。
職場内でセクハラ被害者が、精神的苦痛を受けたり・肉体的苦痛を受けた程度によって、加害者側を法的に裁くだけでなく、職場の企業相手も法的に裁く事が可能な場合があります。
実際に法的には、不法行為・名誉棄損・強要・使用者責任・共同不法行為等、様々な法律に該当する場合がありますので、気になる方は一度弁護士へ無料相談しておく事をオススメします。
裁判とかまで大事にしたくない方でも、自己都合退職にされた時に役立つので、日常的にセクハラ行為をされた時の証拠は残しておきましょう。
スマホのボイスレコーダーや、メール文章の印刷等を行っておけば、いざセクハラ加害者・企業を法的に対処したい時に役立つ事になります。
職場の上司・同僚からのセクハラ対処法
最も多いセクハラ被害が上司からのセクハラです。
上司だと、角の立つような断り方や対処はしたくないので、どうしたら良いか分からず、セクハラ被害者の悩みが深刻化していくケースがあります。
精神的にも肉体的にも疲れて仕事ができなくなってからでは遅いので、職場の上司からのセクハラに対して、対処法をご紹介します。
また、最近では職場の同僚からのセクハラに悩んでいる方も多いので、もし職場の同僚にセクハラを受けた場合の対処法も合わせてご紹介します。
職場で困った場合に是非使ってみて下さい。
(1)職場の上司から執拗に食事に誘われる
異性の上司や先輩が、後輩社員が嫌がっているにも関わらず執拗に誘う事自体がセクハラに該当します。
恐らく、上司や先輩はセクハラ加害者だと気付いていない場合が多いです。
事例1
「先輩社員が執拗に夕食に誘ってくるが、毎回予定があると断っていると、最近は半ば強引に日にちと時間を決めようとする。」
この場合は、彼氏がいて、彼氏の束縛が非常に強い事をアピールして対処してみて下さい。
実際に彼氏がいるかは別として、彼氏がいる女性社員を上司や先輩は誘いずらくなります。
また、彼氏がいる事を伝えたうえでも執拗に迫ってくる場合は、彼氏が少し危ない職業についている事や、危ない経歴を持っている事にしましょう。
可能であれば、強面で入れ墨の入っている男の人と2ショットで写真を撮っておいて、彼氏として見せるように持っておくと良い保険になる事でしょう。
この対処法のミソは、自分が上司や先輩を嫌がっているのではなく、彼氏のせいにできるという点で、角が立たずにに断る事ができる所です。
(2)上司や同僚にホテルに誘われた
やはり、上司や同僚も男性なので、お酒の勢い等も相まって、女性社員をホテルに連れて行こうとする場合があります。
ただ、自分自身にその気がなくても、上司や先輩だとそれを伝えにくい時もあります。
事例2
「飲み会の席が終わり、帰り道に職場の人に執拗にホテルへ行く事を誘われる。」
この場合は一時だけでも逃げたい場合は、「今日は生理なので申し訳ございません」や「お腹を壊しているので申し訳ございません」等の言い訳ができますが、次回の飲み会に相手が期待を持ってしまうと怖いですよね。
人によっては、「先日産婦人科の手術を行った後で傷が広がるので...」や「実は私妊娠していて...」等の大きな嘘を付いて対処される方もいるみたいです。
この場合も一番使える一言が「本日は家に両親が泊まりに来ているので帰る必要があります」という言い訳です。
この言い訳は頻繁に使っても仲の良い家族だとしか思われない点です。
そのうえ、先輩や同僚が嫌だと言わないので角が立たず、丸く収めやすい言い訳になる点でも良い対処法となります。
(3)出張の時に先輩が勝手に同じ部屋を予約した
仕事上、上司や先輩と出張が多い方は直面する事の多いセクハラです。
出張の経費を落とすためだとか言い訳をして、下心丸出しの先輩がホテルを2名1室で勝手に予約した場合の対処法になります。
事例3
「来週の出張予定を見ていると、先輩と2名1室でホテルを予約されていた」
この場合は、先輩に何も言わずホテルに前以て電話して部屋を離す事ができないか相談しましょう。
最近のビジネスホテルはサービスも良く、事情を伝えると、当日急遽満室になった等の言い訳をホテルのフロントが言ってくれます。
同じホテルで泊まるくらい良いやと思っていても、セクハラ被害にあう可能性が高いので、前以て部屋を変える等の対処を行うようにしましょう。
取引先・顧客からのセクハラ対処法
会社内の職場でのセクハラは多いですが、取引先や顧客からのセクハラについても対処できず悩んでいるとよく耳にします。
特に保険の営業や新聞の営業では、男性がよからぬ噂を耳にしていて、セクハラできるものだと勘違いしている場合もあります。
また、企業間の取引先も立場や取引量を悪用してセクハラをしてくる方もいます。
ドラマとかでもよく見かける光景だけだと思っていても、実際に中小企業だけでなく大企業同士の取引関係でもセクハラを行っている方もいます。
いざ、セクハラ被害にあってから悩むより未然に防ぐ事がお互いにとって最も角の立たない方法ですので、セクハラにあった時のために事例と対処法をケース毎にご紹介していきます。
(1)取引先の人が執拗に食事に誘ってくる
取引先との関係って一番もつれたくないものです。
特に上司から引き継いでいる取引先だったりすると、余計に手放したくない取引先である事もあります。
しかし、取引先もそれを知ったうえで立場を悪用して、食事を執拗に迫ってきて、対処が困難な場合があります。
事例1
「取引先の方が、営業で話す度に執拗に食事を誘ってくる」
取引先と食事を行くくらいなら良いと思いますが、女性の直感で危険と感じたり、下心が丸出しの場合もあります。
その場合は、友人と会う予定や何か予定を必ず食事のあとに入れて対処しましょう。
職場の同僚や上司だと、取引先に気を使って見てみぬフリをする可能性がありますので、仕事と関係のない友人で、可能であれば男性と軽くお茶だけでも予定を入れておけば、取引先と食事だけして帰りやすくなります。
また、食事の際は、お酒を必ず1杯までだけにして、飲まないようにしましょう。
あなたが飲まなければ相手もお酒を控えてくれます。
(2)お客様がいつもセクハラ発言をする
接客業をしていると、特にお客様から下ネタ等のセクハラ発言に対処できず、困る事が多いです。
普通のスーパーのバイトや、看護師、アパレルでもどんな仕事にもお客様からセクハラ発言を受ける可能性はあります。
しかし、お客様によっては、目的が何かあって発言しているのではなく、単にセクハラ発言を聞いた時の女性の反応が見たいだけの場合もあります。
事例2
「お客様が毎回、下ネタを話すので反応に困る」
何気ない会話なら良いのですが、セクハラ発言を毎回されると仕事自体も行きたくなくなります。
この場合は、完全に聞こえなかった事にしましょう。
あなたの反応を楽しんで、もっと破廉恥なセクハラ発言をしようとエスカレートされてしまいます。
セクハラ発言をする位のお客様は不要だと割り切って、無視するように対処しましょう。
まとめ
以上、セクハラの定義や事例に対する対処法になりました。
セクハラが社会問題となった今でも、セクハラの判断基準が分からずセクハラ加害者となっている方は多数います。
また、セクハラの対処が分からず悩んでいる方も多くいます。
これってセクハラか、自分の中で対処できなかったり、悩むようでしたら、法律事務所や弁護士に相談してみましょう。
電話の無料相談で色々対処法を教えて下さる弁護士さんも多いです。
セクハラの対処は一人で悩まず、周囲に相談しましょう。